2026年3月 米国株市場 月次レポート
S&P -5.3%、VIX 31突破。雇用ショックとインフレ再加速が同時発生したスタグフレーション恐怖の月。雇用ショック・NFP -9万人・FOMC据え置き・VIX 31突破・原油高騰・スタグフレーション恐怖。
2026年3月 米国株市場 月次レポート
雇用ショック・NFP -9万人・FOMC据え置き・VIX 31突破・原油高騰・スタグフレーション恐怖
2026年3月は雇用ショックとインフレ再加速が同時に発生し、スタグフレーション懸念が市場を支配した月となりました。S&P 500は月間で-5.3%下落し、年頭の楽観論をすべて吐き出し、恐怖指数(VIX、市場不安指標)は平均25.6まで急騰し、、一時的に31を突破しました。
衝撃の始まりは3月6日の非農業部門雇用者数発表でした。実績-9.2万人と、予想+5.9万人を15万人も下回り、市場に対して労働市場の急冷シグナルを発信しました。同日、失业率は4.4%へ上昇し、小売売上高は前月比-0.2%と消費減速を確認させました。S&P 500は当日-1.3%急落し、月間調整の序幕を開きました。
続いて3月18日、PPI(生産者物価)前年同月比3.4%は予想2.9%を0.5ポイント上回り、インフレがまだ終息していないことを再確認させました。GDP速報値も前期比年率+0.7%にとどまり、予想(+1.4%)を大幅に下回りました。成長鈍化と物価上昇が一か月以内に同時に現れた典型的なスタグフレーションシナリオが現実化した格好です。
連邦準備制度理事会(FRB)は3月19日のFOMCで、政策金利を3.75%で据え置きました。パウエル議長は記者会見で「インフレ目標到達まで忍耐が必要だ」と発言し、ドットチャートは2026年の追加利下げ回数見通しを3回から2回へ縮小調整しました。市場は「利下げ期待の後退」を織り込み、当日-0.3%安で引けました。
資産別の動きは明確なディフェンシブ・ローテーションを示しました。エネルギー(XLE)が唯一+7.4%の上昇を維持し、WTIは月間+46%と急騰しました。中東情勢の緊迫化とOPEC+の減産延長が重なった結果です。一方、ハイテク株(XLK)は-4.8%、資本財・景気敏感セクター(XLI)は-9.6%と、景気敏感セクターが弱気を主導しました。金(GLD)さえ-12%と下落しましたが、これはドル高(DXY +1.6%)と10年物金利上昇が実物資産の魅力を低下させた結果です。
市場の月末ムードはやや落ち着きました。3月31日の消費者信頼感指数が91.8と、予想88を大幅に上回り、S&Pは当日+2.9%と反発しました。しかし、1か月分の損失を取り戻すには力不足でした。
一文で要約すると、3月は「成長は曲がるが物価は曲がらない」、最も厄介な局面が現実化した月でした。
指数パフォーマンス
セクターローテーション
3月はエネルギーだけが笑った月です。景気敏感セクターが一斉に弱気に転換しました。
1. エネルギー(XLE)+7.40% — 原油高騰恩恵
2. 金融(XLF)-3.76%
3. 公益(XLU)-3.12%
4. 一般消費財(XLY)-5.58%
5. コミュニケーション(XLC)-5.95%
6. 素材(XLB)-6.16%
7. 不動産(XLRE)-7.03%
8. 生活必需品(XLP)-7.59%
9. ヘルスケア(XLV)-7.52%
10. ハイテク(XLK)-4.76%
11. 資本財・景気敏感セクター(XLI)-9.60%(最下位)— 景気減速の直撃
今月の経済指標ショック
| 日付 | 指標 | 予想 | 実績 | サプライズ | S&P当日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 03-06 | 非農業部門雇用者数(NFP) | +5.9万 | -9.2万 | -15.1万 | -1.31% |
| 03-11 | 消費者物価(CPI 前年同月比) | 2.4% | 2.4% | 0 | -0.13% |
| 03-13 | GDP 前期比 | +1.4% | +0.7% | -0.7ポイント | -0.57% |
| 03-18 | 生産者物価(PPI 前年同月比) | 2.9% | 3.4% | +0.5ポイント | -1.40% |
| 03-19 | FOMC 金利決定 | 3.75% 据え置き | 3.75% 据え置き | 0 | -0.25% |
| 03-31 | 消費者信頼感指数 | 88 | 91.8 | +3.8 | +2.91% |
TOP Movers
上昇TOP(資源・エネルギーセクター主導)
- USO(原油) +46% — 中東情勢緊迫・供給懸念
- LYB(ライオンデルbasell) +39% — 石油化学恩恵
- DOW(ダウ・ケミカル) +36%
下落TOP
- GLD(金) -12% — ドル高に圧迫
- SPY/QQQ/DIA -5%台で一斉調整
来月の看点
- 4月FOMC(4/29): ドットチャート下方修正後のパウエル記者会見のトーン
- 第1四半期決算シーズン開幕: ビッグテック・銀行株のガイダンス
- 中東情勢: 原油の追加上昇余地がインフレ経路を決定
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