2026年3月24日 米国株式市場サマリー
今日のひと目
市場サマリー
3月24日(火)の米国株式市場は、前日のトランプ発言による安堵相場を一日で吐き出し、主要指数が再び下落に転じました。ナスダックが-0.84%と最も大きく下落し、S&P 500は-0.37%、ダウ平均は-0.18%と小幅安にとどまりました(WSJ)。イランがホルムズ海峡について「非敵対的な船舶」に限り自国の条件のもと通過を許可すると表明し(Bloomberg)、一部では期待感もありましたが、一部の船舶に通行料を課し(Bloomberg)、イスラエルが戦争終結の意思はないと示したことから(Yahoo Finance)、紛争長期化への警戒感が再燃しました。ブレント原油が1バレル100ドルを突破し、債券市場が5%金利に近づくなか(MarketWatch)、投資家心理は再び萎縮しました。恐怖・貪欲指数は14まで低下し、極端な恐怖圏に再突入しました。
セクター・資産動向
強気セクター: エネルギー($XLE、+2.03%)が原油価格の再反発に支えられ、突出した強気相場となり、RSI 80.49でセクター自体が買われ過ぎ圏に入りました。トタル・エナジーズのCEOは「世界はこのような精製マージンを経験したことがない」と発言しました(CNBC)。資本財($XLI、+0.58%)も、Eaton(ETN、+3.99%)、Deere(DE、+2.46%)などの上昇に支えられ、小幅高となりました。半導体装置株(KLAC +3.62%、AMAT +3.37%、LRCX +2.37%)が軒並み強含むなか、半導体ETFのSOXX(+1.32%)はRSI 50ラインを上抜けました。
弱気セクター: コミュニケーション・サービス($XLC、-1.40%)がアルファベット($GOOGL、-3.85%)の急落に連れ、最も大きく下落し、RSI 29.74で売られ過ぎ圏の境界に到達しました。ハイテク($XLK、-0.58%)は、アマゾンが新たなAIツールを開発中との報道(Bloomberg)を受け、クラウド・SaaSソフトウェア株が軒並み急落しました。セールスフォース($CRM、-6.23%)、スノーフレーク(-7.38%)、クラウドストライク(-4.92%)、Zscaler(-8.16%)、アトラシアン(-8.39%)などが大きく下げました。
債券: 国債価格は再び下落(金利上昇)し、長期債の$TLT(-0.43%)、中期債の$IEF(-0.34%)、短期債の$SHY(-0.15%)がいずれも軟調でした。2年債入札での需要低迷が確認され(Bloomberg)、債券市場の不安定さが増しています。もっとも、一部の専門家は、市場が織り込んでいる金利上昇は実際には可能性が高いとはいえないと分析しています(Bloomberg)。
商品: 原油($USO、+3.60%)は前日の-8.95%急落から急速に反発しました。米ペンタゴンが中東に3,000人の追加兵力派遣を計画中との報道(MarketWatch)が原油高を後押ししました。金($GLD、+0.02%)はRSI 27.51でほぼ横ばいとなり底値固めを示し、銀($SLV、+0.77%)とプラチナ(PPLT、+1.01%)は小幅に反発しました。ロシアがイラン戦争下の原油高騰を受けて石油輸出を4年ぶり高水準に押し上げたとの報道(Bloomberg)も出ています。
主要銘柄動向
急騰銘柄: この日の市場で最も顕著だったのは、ハードウェア・装置株の強気 vs ソフトウェア株の弱気という極端な二極化でした。Eaton($ETN、+3.99%)、KLA($KLAC、+3.62%)、アプライド・マテリアルズ($AMAT、+3.37%)、テキサス・インスツルメンツ($TXN、+3.18%)、アナログ・デバイセズ($ADI、+3.09%)など半導体装置・産業向け電力関連銘柄が上昇率上位を占めました。GEヴェルノバ($GEV、+3.03%)は電力インフラ需要への期待から2日続伸、エクソンモービル($XOM、+2.64%)は原油反発に追随しました。デル・テクノロジーズ($DELL、+7.49%)はAIサーバーハードウェア需要への期待から急騰し、Lumentum(LITE、+10.02%)、Celestica(CLS、+5.07%)、HPE(+7.08%)などAIインフラハードウェア株も堅調でした。エヌビディアCEOのジェンスン・フアン氏がAGIは「達成された」と発言したことも(Yahoo Finance)、AIハードウェアへの投資期待を高めました。
急落銘柄: セールスフォース($CRM、-6.23%)が時価総額上位100銘柄中最大の下落率を記録しました。アマゾンによるAIツールの内製開発がSaaS各社の市場を侵食するとの懸念がソフトウェアセクター全体を直撃しました。AppLovin($APP、-5.02%)、オラクル($ORCL、-4.67%)、Shopify($SHOP、-4.09%)、SAP($SAP、-4.02%)が4%以上下落し、アルファベット($GOOGL、-3.85%)もAI競争激化への警戒から大幅に下落しました。パランティア($PLTR、-3.77%)は前日の+6.74%急騰分を相当部分吐き出しました。Coinbase($COIN、-9.76%)、Axonエンタープライズ($AXON、-9.99%)、エスティ・ローダー($EL、-9.85%)など個別材料を伴う銘柄の急落も目立ちました。
テクニカルシグナルと見通し
テクニカル指標における最も重要な変化は、マイクロソフト($MSFT)がRSI売られ過ぎ圏(28.41)に突入したことです。時価総額第2位の企業がRSI 30を下回ったのは、市場ストレスがメガキャップ中核銘柄まで波及したことを示しています。アルファベット($GOOG/$GOOGL)はボリンジャーバンド下限ブレイク、ストキャスティクスの売られ過ぎ、MACDデッドクロスが同時に発生する「トリプル弱気シグナル」を記録しました。
ボリンジャーバンド下限ブレイク銘柄では、ユーティリティが15銘柄から2銘柄へ急減し、替わりにハイテク・ソフトウェア株(MSFT、SAP、CRM、SNOW、ZS、TEAMなど)8銘柄が新たに該当となり、下落圧力の震源地がユーティリティからソフトウェアに移りました。一方、バンド上限ブレイクではエネルギー(17銘柄)とAIハードウェア(DELL、LITE、CLS、HPE、FLEXなど9銘柄)が圧倒し、市場内の二極化が極限レベルに達しています。
> 詳細なテクニカル分析は3月24日テクニカルシグナルレポートをご覧ください。
MACDゴールデンクロスに金融株15銘柄が含まれ、過去最大規模に達したことはポジティブですが、エネルギーセクターのRSI 80.49とブレント原油の100ドル突破は過熱感への警告です。原油価格が高水準で推移するほどインフレ圧力が強まり、債券金利が上昇することで、高バリュエーションのソフトウェア株への圧迫が続く見通しです。イラン・米国交渉の実質的な進展の有無、および米長期金利の5%突破可否が、短期的な市場の方向性を左右する鍵となります。
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