2026年3月20日 米国株式市場の要約
今日のひと目
市場概況
3月20日(金)の米国株式市場は、イラン戦争の長期化とホルムズ海峡封鎖によるエネルギー供給混乱への懸念が市場を圧迫し、主要指数がそろって下落して引けました。纳斯达克総合指数が-2.01%と最も大きな下落幅を記録し、S&P 500は-1.51%、ダウ工業株30種平均は-0.96%下落しました。これにより3大指数いずれも4週連続下落という低調な流れが続いています。VIX恐怖指数は27.17と8.29%急騰し、市場不安を反映しました。恐怖・強欲指数は14まで低下し、極端な恐怖(Extreme Fear)圏に深く入り込みました。トランプ大統領がイランとの休戦を望まない旨を発言した(WSJ)と伝わり、紛争の早期終結期待は完全に消滅しました。原油価格急騰がインフレ再燃→利上げ観測という連鎖悪材料として作用しています。
セクター・資産動向
強気セクター: エネルギー($XLE、-0.04%)が事実上唯一のディフェンシブセクターでした。ホルムズ海峡封鎖による供給混乱が原油価格を2022年7月以来の高値に押し上げた(Reuters)ことで、エネルギー企業が恩恵を受けました。$USO(原油ETF)は+3.48%上昇し、エネルギーセクターのRSIは75.79と過熱圏入りしました。金融($XLF、+0.24%)も銀行株の反発に支えられ小幅上昇しました。
弱気セクター: ハイテク($XLK、-2.27%)が最大の打撃を受けました。利上げ観測が成長株のバリュエーションに重荷となり、半導体ETFのSOXXも-2.26%下落しました。景気敏感消費財($XLY、-1.79%)と資本財($XLI、-1.46%)も景気減速懸念から大きく下落しました。ラッセル2000($IWM、-2.18%)は主要ベンチマークの中で最初に調整局面入りしました(CNBC)。
債券: 原油急騰に起因するインフレ懸念で債券市場も連れ安となりました。長期債の$TLT(-1.90%)が最も大きな下落幅を示し、中期債$IEF(-0.90%)、短期債$SHY(-0.22%)の順に下落しました。債券市場における2026年の利下げ期待が完全に覆されたとの分析が出ています(Bloomberg)。
商品: 原油($USO、+3.48%)のみが上昇し、その他の商品は総じて軟調でした。特に銀($SLV、-6.35%)と銅($CPER、-4.06%)が急落し、金($GLD、-3.06%)も大幅下落となりました。戦争下でも安全資産の金が下落したのは、ドル高への転換(Bloomberg)とマージンコールに伴う流動性確保の売り圧力が複合的に作用した結果と見られます。
主要銘柄動向
急騰銘柄: AT&T($T、+2.13%)が通信セクターのディフェンシブ性に支えられ、時価総額上位100銘柄の中で最も高い上昇率を記録しました。ARMホールディングス($ARM、+1.95%)は半導体セクター内で珍しく上昇し、独自色の強い動きとなりました。金融株ではモルガン・スタンレー($MS、+1.84%)とウェルズ・ファーゴ($WFC、+1.58%)が規制緩和への期待感(WSJ)から反発しました。エネルギー大型株のエクソン・モービル($XOM、+0.95%)とコノコ・フィリップス($COP、+0.71%)も原油急騰に連れ高となりました。
急落銘柄: インテル($INTC、-5.00%)が最大の下落幅を記録し、ハイテク株の売りを主導しました。SAP($SAP、-4.98%)とマイクロン($MU、-4.81%)も4%超急落しました。Shopify($SHOP、-4.57%)、オラクル($ORCL、-3.76%)、アリスタ・ネットワークス($ANET、-3.70%)、ASML($ASML、-3.60%)、IBM($IBM、-3.43%)などハイテク・半導体大型株が相次ぎ下落しました。ビストラ($VST)はユーティリティセクターにもかかわらず-12.76%と急落し、エネルギー転換関連の不確実性が反映されたと見られます。
テクニカルシグナルと見通し
テクニカル指標上、極端な売られ過ぎシグナルが広範囲に出現しています。RSIが売られ過ぎ圏にある銘柄は30銘柄にのぼり、資本財・消費財・ヘルスケアなど多様なセクターに分布しています。ストキャスティクスの売られ過ぎにはアップル($AAPL)、マイクロソフト($MSFT)、TSMC($TSM)、メタ($META)などメガキャップが大挙含まれており、市場全般の短期的な下落過大を示唆しています。一方、RSIが買われ過ぎ圏にある30銘柄のうち大半がエネルギーセクターに集中しており、エネルギー株の短期調整の可能性も残されています。
MACDのゴールデンクロスが金融株(JPM、MS、WFCなど)や一部のエネルギー株で出現し、当該セクターの上昇転換シグナルを発しています。一方で、MACDのデッドクロスがマイクロソフト($MSFT)、ブロードコム($AVGO)、テスラ($TSLA)など大型ハイテク株で発生しており、ハイテク株のさらなる下落可能性を警告しています。
> 詳細なテクニカル分析は3月20日テクニカルシグナルレポートをご覧ください。
戦争長期化に伴う原油高→インフレ再燃→利上げ懸念という悪循環構造が市場を強く圧迫しています。ただし、恐怖・強欲指数14という極端な恐怖水準と広範な売られ過ぎシグナルは、歴史的にテクニカル反発の前兆となってきました。来週はイラン戦争の展開とサウジアラビアによる代替供給ルートの確保状況(MarketWatch)が、市場の方向性を決定する重要な変数となる見通しです。
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