8月第3週 決算・指標ダイアリー — 決算発表と経済指標の週間見通し
8月第3週(8/17〜8/21)の米国株決算発表スケジュールとコンセンサス、CPI・雇用などの経済指標の見通しを曜日別に整理します。
- 今週は小売決算ウィークです。火曜日のホーム・デポを皮切りに、水曜日にターゲット・ロウズ・TJX、木曜日にウォルマートと大型流通が次々と決算を発表します。1日あたりで最も多いのは水曜日8月19日の7件です。
- 重要度が最も高い指標は木曜日8月20日の個人消費支出物価指数(FRBが金利を決定する際に最も重視する物価指標)です。予想値はまだ公表されておらず、直前に発表された7月の消費者物価指数は前年比3.4%、エネルギーと食品を除いたコア指数は2.5%でした。9月16日のFRB会合を控え、利下げではなく据え置きか利上げかが問われるため、その意味合いは大きくなります。
- 合計は主要決算20件、指標6件です。指標は木曜日の1日に6件すべてが集中し、 same day morning ウォルマートの決算とも重なります。
1. 今週のイベントダイアリー
曜日別に決算と指標を一目でまとめました。前場前(取引開始前発表)の決算はその日の寄り付きに、後場後(取引終了後)は翌朝の値動きに反映されます。
2. 注目すべき決算発表
今週の発表の中から、市場全体への影響が大きいものをピックアップしました。
HD ホーム・デポ — 住宅消費の最初の体温計です
今週の大型決算の幕を開けるのはホーム・デポです。見るべきは売上高の総額ではなく、既存店売上(1年以上運営してきた店舗のみで算出した売上)です。会社が掲げる今年の目標は0〜2%成長で、第1四半期は0.6%でした。このレンジの上限に届くのか下限を下回るのかは、翌日に発表されるロウズ(LOW)を見る目にも影響します。
TGT ターゲット — オプション市場は7%の変動を見込んでいます
ターゲットは前2社とは性格が異なります。食品などの必需品よりも衣料品や生活雑貨の比重が高いため、消費が落ち込めばこちらに先に兆候が表れます。オプション市場は発表後の株価が7%程度動くと織り込んでおり、最近の株価上昇を受けて超えなければならないハードルも同時に上がっています。
ADI アナログ・デバイセズ — 工場と自動車の半導体需要を測ります
アナログ・デバイセズはAIサーバーではなく、工場設備・自動車・通信機器に使われる半導体を製造しています。会社側が事前に示した見通しは売上39億ドル前後、調整後1株当たり利益3.30ドル前後で、市場予想はそれをやや上回っています。売上が前年比30%台で伸びる領域にあるため、この回復が顧客企業の在庫積み増しによるものか、実需によるものかを会社説明から見極める必要があります。
WMT ウォルマート — 消費の結論は木曜日の朝に出ます
米国の家計が財布をどれだけ開いたかは、ウォルマート1社から最も広く見えてきます。今四半期の数字よりも、通期ガイダンス(会社自身が発表する業績見通し)が引き上げられるかどうかが重要です。前四半期は1株当たり利益が予想着地並みに留まったため、決算も予想を上回り見通しを引き上げるという従来のパターンに戻るかが焦点となります。
BABA アリババ — クラウドは拡大し、利益は削られます
アリババは米国株式市場に上場する中国最大の電子商取引・クラウド企業です。クラウド売上はAI需要に支えられ20%前後の成長が続く一方、即日配送(注文から概ね1時間以内に配達)競争に資金を投じるため営業利益が圧迫されています。売上成長と利益の棄損のいずれに市場が今回は評価を与えるかが分岐点であり、同日にネットイース(NTES)も決算を控えるため、中国ハイテク株全般のムードも同時に決まりそうです。
3. 経済指標プレビュー
個人消費支出(PCE)物価指数(ヘッドライン・コア)
FRBが物価を判断する際に消費者物価指数(CPI)より重視する指標です。前年比と前月比、エネルギーと食品を除いたコア指数まで、4系列が同じ日に一斉に発表されます。7月のCPIが前年比3.4%、コア2.5%へと低下した流れがここでも続けば、9月16日のFRB会合は据え置き方向に傾き、コア指数が再加速すれば利下げではなく利上げの議論が再燃し、最高値圏にある株価の重荷となります。
個人消費支出(PCE) — 実際に使われた金額
前述の物価指数と名称が似ていますが、こちらは家計が実際に支出した金額の規模です。同日の朝にウォルマート、前日にターゲットとロウズが発表した数字と方向が一致するか重ね合わせると、消費の実感値がよりはっきりします。物価上昇率が鈍化する中で消費金額までも減少すれば、小売企業の売上増加が販売数量の増加によるものではないことを意味します。
新規失業保険申請件数
職を失い失業給付を新規申請した人数で、雇用情勢の減速を週次で捉える最も迅速な指標です。前回発表値は20万台前半で、4週移動平均は2022年10月以来の低水準でした。予想の21万件を大きく上振れれば、消費指標や小売決算を見る視点も同時に曇ります。
4. 今週のチェックリスト
- 月曜日 8/17 — 大型決算は休みです。取引終了後にファブリネット(FN)が光通信部品需要を先取りして示します。
- 火曜日 8/18 — ホーム・デポ(HD)が取引開始前に発表します。既存店売上が会社目標の0〜2%の範囲内に収まるかが最初の関門です。
- 水曜日 8/19 — 今週最多の7件が集中します。ターゲット・ロウズ・TJX・アナログ・デバイセズが同日に重なり、消費と半導体を一斉に確認できます。
- 木曜日 8/20 — 指標6件すべてとウォルマート・アリババ・ディアの決算が同じ日にあります。今週の中心です。
- 金曜日 8/21 — ケーホールディングス(BEKE)1件のみで閑散です。消費指標と小売決算が同じ方向を指していたかを整理する時間となります。
来週の決算・指標ダイアリーは土曜日の朝に発行されます · 出典 企業開示・主要海外メディアのコンセンサス
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