Banco Santander Chile SA ADR($BSAC) 2026年第3四半期決算分析:EPSが予想を下回る · 純利益が38%急減
決算成績表
売上高: 総営業利益 7,010億ペソ(CLP) (前年同期比 -1.5%、予想 7,595.35億ペソ) ❌ Miss
EPS(1株当たり利益): 0.50ドル (ADR 1株基準、予想 0.57ドル) ❌ Miss
ガイダンス: 維持 ・ 2026年の自己資本利益率(ROE)を約24%と予測、2027年の新規予測はROE 22~24%・貸出成長率 6~7%
株価反応: -3.0% (BMO当日終値基準)
良かった点
累積利益の成長: 9ヶ月間の純利益 8,928億ペソ、前年同期比 11.9%増
コスト効率の改善: 9ヶ月間の効率性比率 33.0%、1年前の35.9%から2.9ポイント改善
株主還元の拡大: 2026年の利益に対する配当性向を60%から70%に引き上げ
四半期決算の低迷は物価連動項目によるものであり、本業のコスト構造と資本はむしろ改善しています。顧客数が493万人と7.5%増加し、ミューチュアル・ファンドおよび保険手数料が二桁成長を遂げたことは、継続的な利益の基盤となっています。普通株式資本比率10.9%を維持したまま増配を決定したことも、株主還元の余力を示しています。
惜しい点
四半期利益の急減: 第3四半期の純利益 2,371億ペソ、前四半期比 38.0%減
貸倒コストの拡大: 第3四半期の貸倒引当金 1,570億ペソ、前四半期比 23.8%増
手数料の減少と健全性の低下: 純手数料 1,305億ペソと9.7%減少し、不良債権比率(NPL比率)が3.5%に上昇
第3四半期のROEは19.1%となり、第2四半期の31.5%から大幅に低下しました。貸倒コスト比率が1.22%から1.48%に上昇し、不良債権カバー率が105.7%に低下したことは、緩衝能力が減少しているサインです。決済部門の競争激化により手数料が減少している流れも、当面続く可能性があります。
会社側のコメント
会社側は第3四半期の低迷について、物価連動調整利益の縮小、貸倒引当金の増加、および手数料の減少によるものと説明しました。2026年の予測を据え置いたまま来年の予測を新たに発表したことは、今回の低迷を構造的な利益の毀損ではなく、四半期ごとの変動と捉えた経営陣の判断と読み取れます。
市場の反応と今後のポイント
インフレ連動調整後利益が前四半期比で64.6%減少し、純利益と一株当たり利益(EPS)がともに予想を下回りました。利益の大部分がチリの物価動向に左右される構造が改めて浮き彫りになった形です。
第4四半期のインフレ連動指数の変動率が、第2四半期のように2%台に転じるのか、あるいは第3四半期のように0.6%に留まるのかが、利益の方向性を左右します。
税制改正に伴う繰延税金資産の再測定費用(約450億ペソ)が、第4四半期の損益にどのように反映されるかを確認する必要があります。
商業ローンの成長(前期比4.0%)が継続するか、および貸倒コスト比率が安定するかどうかが、健全性の鍵となります。
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